日本で「緊急事態宣言」が出されたあと、東京都は小池知事のライブ配信を毎日行うようになりました。
MASCでは現在、土曜日を除く毎日、以下の対応を無償で行っています。
背景として、当時、手話通訳士は画面の中に居ましたが、字幕はありませんでした。Twitterで字幕を要望されている方がいたこともあり「MASCで今できること」として実施を決断しました(厚労省の調査では、コミュニケーション手段として身体障害者手帳保持の重度の聴覚障害者ですら、手話とこたえているのが20%以下)
通常やり方であれば「PC要約筆記」を会見会場に派遣して、スクリーンに字幕を投影、それを一緒に画面に入れることです。しかし要約筆記は、その場の情報保障を原則としており、収録した映像をそのまま使う事(字幕をそのまま使う)はできないのです。その他、いろいろハードルがある事は分かっていましたので、最新の方法である、UDトークによる音声認識字幕を使う事を提案しました。その説明、予算取りなど東京都と交渉していると時間がかかるため先ずは実施して、それを東京都に見て頂き、公式になった次第です。(あくまで緊急対応という判断であって、要約筆記として正式に始められるなら退きます)
以下にその経緯を記載します。
・4月6日 東京都広報課へ アーカイブ映像の字幕付け提案
YouTube用字幕の送付
・4月8日 ライブ配信でのUDトーク対応開始(全て遠隔)
QRコードを送付して、東京都広報課に見て貰う
・4月9日 都庁関係者で字幕を確認、MASCより詳細資料を送付
・4月10日 公式に採用され、待機画面にUDトークのQRコード表示
以降、土曜日を除く毎日、18時30分より字幕付けが行われています。
小池知事は元ニュースキャスターだけあって音声認識率は非常にいいのですが、ゲストの方も来ますので、誤認識修正は必ず必要になります。これを全て遠隔で出来るというのがUDトークならではの特徴です。最低3名、多いときは7名前後、遠隔地でつながっている有志の方々が動いています。現在は無償で動いて頂いていますが、今後、しっかりと仕事につなげていくのが我々の役目だと思っています。
緊急事態ということで「先ずは始める事」。これが重要ということで動いた結果、最速で対応できました。MASCでは「ライブ配信から正式な字幕付け」までの実績もでき、そのノウハウが蓄積されています。
MASCは映画・映像のバリアフリー化を行うNPOですが、リアルタイム字幕配信など、今できることを模索しながら活動を継続していきます。
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