日本語字幕と音声ガイドで感動をみんなのものに!

【コラボ企画第二弾】おと見映画部×シブ大音声解説ゼミ 活動報告

NPO法人シブヤ大学「映画音声解説ゼミ」
コラボ企画第二弾
音で楽しむ映画×字幕で楽しむ映画

9月6日MASC事務局

● コラボ企画とは

おと見映画部」はバリアフリー字幕の普及促進をしているMASCが母体となり、字幕づくりを通して映画を深く味わうサークルです。
シブヤ大学「映画音声解説ゼミ」は視覚に障害のあるメンバーとともに、映画の音声解説制作から上映までをトータルで考え、音声解説付きの映画会をシブヤ大学の授業として開催することをゴールに据えている活動体です。

今回、この二つのサークル「おと見映画部」と「音声解説ゼミ」がコラボした企画を実施しました。

● 内容

・ワーク&自己紹介
・『いたいのいたいのとんでいけ』視聴体験(音なし字幕なし→音なし字幕あり→音あり字幕あり)
・『いたいのいたいのとんでいけ』字幕制作体験
・『管材屋の唄』字幕&音声ガイド上映
※字幕はおと見映画部、音声ガイド(その場でFM配信)はシブ大音声解説ゼミが作成

今回のコラボ企画のメンバーは実にさまざま。
日ごろから字幕や音声ガイドに慣れ親しんでいる方、はじめて体験する方、
健聴者、聴覚障害者、晴眼者、視覚障害者…
あらゆる立場の方々が一堂に会し、同じ映像作品を鑑賞。
それだけでも多くの発見がありました。
「あれってこういう解釈でいいのかな」「自分はこうだと思ってた!違うかな」
個人で映画鑑賞をしているときには、出てこないような疑問がたくさん。

さらにスペシャルゲストとして監督(今回は『いたいのいたいのとんでいけ』朴監督)にもお越しいただき、
鑑賞する側だけでなく、製作側からのご意見や製作意図をお伺いすることもできました。
実はこうした声が、勉強会を一層有意義なものにしてくれます。
製作側が伝えたいことをきちんと視聴覚障害者の方々に届けるためには、
製作意図を知っておかないと、字幕制作や音声解説制作の過程で抜け落ちてしまう可能性があるのです。
もちろん字幕制作者や音声解説制作者は、自分の解釈が入ってしまわないように極力気をつけています。
例えば、同じ音ひとつをとっても字幕制作者の受け取り方は様々で、表現に困ることもあります。
その音に込めた想いを監督から直接伺って、字幕を改めることもできるのです。
監督も交えた意見交換は、映画ファンなら唸ること間違いなしの、贅沢な時間となりました。

「音声解説ゼミ」「おと見映画部」が取り組んできたアプローチ方法は真逆です。
視覚障害者の方にとって得意なことは、聴覚障害者にとっては不得手。その逆もしかり。
なかなか視聴覚障害者同士が意見を交わしあうこともないのです。
そこが、このコラボ企画の面白いところ。
まずは「おと見映画部」や「音声解説ゼミ」の活動から始めてみては?

● おまけ:こんな声、あんな声

字幕なし音なしで鑑賞すると…
「表情だけでも、お母さんとお父さんの仲が良くないのがわかる」
「女の子のかわいさ、画面だけで十分伝わってくる」
「うん、って言ってるのくらいなら口元でわかるんだけど」

字幕あり音なしで鑑賞すると…
「あれ、ここ実際には喋ってなかったんだ」
「この〔物音〕って表現はなんだろう、なんの音だろう」
「ラストシーン、想像していなかった展開にびっくり」

制作者の方から…
「ひとりで作業しているとつい機械的になってしまう。考えるきっかけを得られて良かった」

視覚障害の方から…
「私はふだん音が情報のすべて。それとは全く別の字幕は新鮮な感覚で面白かった」
(字幕制作中も、読み上げてもらって字幕の内容を確認していました)

(報告:おと見映画部モニター部員・難聴者)

【今回の課題作品】

作品:「いたいのいたいのとんでいけ」<30分>
監督:朴 美和(パク ミファ)
1985年生まれ、東京都出身。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。在学中に制作した『三河島ジャンケンポン』、卒業制作『東京アリラン』が国内外の映画祭で上映される。『いたいのいたいのとんでいけ』で女性監督による製作・上映集団「桃まつり」に参加。第35回PFFぴあフィルムフェスティバル(PFFアワード2013)、あいち国際女性映画祭2013(ショートフィルム・コンペティション)などに入選。

【あらすじ】

まだ補助輪つきの自転車に乗っている小学校1年生の加奈が、両親の不仲を元どおりにしようと、ある行動に出るが…。

【シブヤ大学 映画音声解説ゼミ】

NPO法人シブヤ大学の中のゼミ。ゼミ生たちで作った音声解説付きの映画会をシブヤ大学の授業として発表することになっており、現在の第4期は「“耳”で映画を観よう!~若手監督4人のショートムービー~」と題して、2016年1月16日に上映会を予定しています。

【おと見映画部】

映像バリアフリーの普及促進をしているMASCが母体となり、字幕づくりを通して、映画を深く味わうサークルです。制作メンバーが作った字幕をモニター部員や映画製作の方とともに観て、課題作品に対してどのような表現が最適かを考えています。

先日のシブヤ大学とのコラボ企画にご参加いただいた方、ありがとうございました!
残念ながら参加することのできなかった方も、また次回お待ちしております!