日本語字幕と音声ガイドで感動をみんなのものに!

「洋画にも聴覚障害者向け字幕がほしい!」 ~大阪弁なのに標準語字幕?~

library-488672_1920

みなさんは洋画に、①『字幕版』と②『日本語吹き替え版』があることをご存知でしょうか。 

①『字幕版』
音声:オリジナルの外国語
字幕:外国語セリフを翻訳した字幕+セリフ以外で映っている地名や手紙の内容などの外国語を翻訳した字幕

②『日本語吹き替え版』
音声:日本人キャストが吹き替えた日本語音声
字幕:セリフ以外で映っている地名や手紙の内容などの外国語を翻訳した字幕(セリフ字幕はなし)

聞こえない、聞こえづらい方が洋画を観るときは、セリフの字幕が表示される①『字幕版』を選びます。
しかし、何らかの理由で②『日本語吹き替え版』を観たいときはどうなるでしょう。

当団体に先日、こんなお問い合わせがありました。

私は聴覚障害があり、4歳の息子と一緒にDVDをレンタルしています。
DVDはほとんど外国アニメが多く、「音声は日本語、字幕は日本語字幕」に設定できるものであれば、子どもと一緒に楽しめます。
しかし、気になる問題が出てきました。あるDVDが、音声が「大阪弁」であるにも関わらず、字幕が「標準語」なのです。
できれば、日本語字幕を2種類(聴覚障害者向け字幕と、標準語字幕)つけて、観る人が選べるようであってほしいと思います。
理由は、先日テレビ放送で見た聴覚障害者向け字幕が、非常に分かりやすかったからです。

①『字幕版』はオリジナルの外国語音声で観るように作られています。つまり、外国語を翻訳した内容を字幕にしているもの(いわゆる翻訳字幕)が現在の『字幕版』なので、当然標準語です。
一方、②『日本語吹き替え版』の場合、字幕はなく音声だけで楽しむことを前提とされているため、日本での演出として方言を使ったり、聞いてわかりやすいように字幕版とは内容が異なったりしているのです。

この方がDVDで鑑賞したとき、日本語吹き替え版の音声に翻訳字幕をつけたため、音声が大阪弁なのに字幕は標準語になっている、という現象がおこりました。
しかし、テレビ放送は、日本語吹き替え版を『聴覚障害者向け字幕』つきで放送したので、日本語吹き替え版の音声をそのまま字幕に表示するため大阪弁の字幕になっていました。

事情をご説明したところ、

「日本語字幕」に種類があることは、はじめて知りました!
ということは、例えば音声で「ベクターめ」となっている場面が、字幕では「あいつ嫌いだよ」となっているのは「聴覚障害者向け字幕」であれば、音声通りに表示されるということですね?
息子とDVDを観ると「『ベクターめ』って言ってる~」と毎回面白がるんですよね。私は「字幕では表示されないなぁ、息子が聞き逃してるのかな??」と思っておりました。

みなさんは 2014年公開の『GODZILLA』を覚えていますか?
この作品は、日本語吹き替え版に『難聴者向け日本語字幕』をつけて上映され、DVDにも収録されました。
https://www.toho.co.jp/dvd/item/html/TBR/TBR25054D.html
当団体でも公開当時、多くの方に届けたいと広報させていただきました。当時、難聴者の方からいただいた感想を一部ご紹介します。

・日本人キャストのセリフも字幕になっていて良かった。
・日本語吹き替え版のためかセリフがよく整理されているのか読みやすかった。
・翻訳字幕と違ってセリフを話している人の名前が入っていて、話者を見失うこともなく、わかりやすかった。
・音の情報も字幕になっていて、物語の雰囲気を理解することができた。
・各人の声が明確に区別されていて滑舌も良く、私にも話者の判別ができるところもあった。

聴覚障害者字幕(バリアフリー字幕)では、セリフだけではなく話者名・効果音・音楽情報など、作品理解に必要な音声の情報はすべて字幕になっています。一方、洋画の字幕版の翻訳字幕は、セリフのみです。

セリフがわかれば十分じゃないか、と思う方もいるかもしれませんが、一度音を消して観てみてください。音声がないと、だれがどのセリフを話しているかついていけず、巻き戻したくなる場面が必ずあるはずです。

今回お問い合わせをいただき、日本語吹き替え版にも聴覚障害者用字幕をつければ、選択の幅が広がる、日本人キャストのセリフも字幕になる、そのうえ、家族で同じセリフを笑いあうこともできると改めて教えていただきました。

この方は、DVDに聴覚障害者向け字幕収録を実現させたいです!と発売元に要望を出しました!とのこと。素晴らしい行動力ですね。

字幕版だけではわかりづらいな… 日本語吹き替えを一緒に楽しみたいな… など、同じようなモヤモヤをお持ちの方がいましたら、ぜひ諦めず、声を上げていただければと思います!

※ 7月21日追記 ※

7月21日公開の『怪盗グルーのミニオン大脱走』吹替版<聴覚障害者用字幕>上映が発表!
http://www.eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=675
※劇場情報の右端“備考欄”に<聴覚障がい者用字幕付き吹替版>という表記があるのが、対応劇場です!

吹替版<聴覚障害者用字幕>と普通の字幕版ってどう違うの?
とお思いの方、通常の翻訳字幕と違って、話者や音楽の情報、はたまたミニオンたちの細かい会話も入った聴こえない方にもわかりやすい字幕版です!
この記事にある幼いお子様と一緒に観たいろうママの要望を実現してくださいました!
今のところ、全国35ヵ所の映画館で上映予定が発表されています。お近くの映画館にも、ぜひご要望してみてください!